「君のための物語」
君のための物語 (電撃文庫 み 13-1)君のための物語 (電撃文庫 み 13-1)
(2008/02/10)
水鏡 希人

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電撃小説大賞「金賞」受賞というのがまず釣り文句としてあるのですが、いやぁもう意外。
これが金賞!?

いやいや悪いってんじゃないです。
むしろいい。凄くいい。
ただ、電撃レーベルの系統を考えると、これが金賞取ったというのが意外なのです。

まず、この話の舞台は多分、19世紀後半から20世紀初頭くらいのロンドンをイメージした都市。
主人公は20代男性、小説家志望。
シリーズヒロインは不在
派手なアクションはほとんどなし
(↑一応最終話のみちょっとありますが)

オムニバス形式を取っているものの、主人公は単一の続き物(時系列)。

金賞云々以前にこれが電撃というレーベルから出たということが意外。
「狼と香辛料」に気をよくして、ちょっと落ち着いた雰囲気の作品にシフトしつつあるのかな。

もちろん、これもラノベですので、その辺りのお約束は抑えてあります。
表紙の池面な兄さんは「悪魔」ですから。
…まぁ、作中では「悪魔」呼ばわりしてますが、どちらかといったらホムンクルスだと思いますがね。
ただ、この悪魔は地味です。
変人で、お人よしです。

つまり、ちょっと奇妙な「悪魔」とお友達になってしまった「私」の一人称による物語です。

小説としては非常に纏まっていて、作者これがデビュー作ってのは中々のものですね。
若干、テンプレどおりのエエハナシヤナー( ;∀;)になってしまってる感はありますが、こういうのは嫌いではないです。


で、この小説でいいな、と思ったのは、
作品内に主人公の名前が出てこないこと。
一冊の本として読めば分かりますがね。

よくある手ではありますが、こういう作中作っぽい作り好きなんですよ。


電撃にしては多分女性向け、大人向けでしょうか。
こういう持ち味は失わないで行って欲しいですね。



…余談ですがこれ、その気になればバリバリ続編書けそうな作りになってます。
個人的にはだらだら続けないでさっさと新作書いて欲しいのですが。
2,3冊ならいいけどね…。
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